WiRES経由画像伝送
概要
近年、防災訓練の中でインターネットを使った通信技術が数多く取り入れられている。先日、WiRESを使った電文送信も行ったようだ。その際に、画像も送れないかという事でMMSSTVというソフトウェアを利用してトライしてみたところ、あまりきれいに送受信することが出来なかった。なぜうまく行かないのかを調査し、改善策は無いものか模索してみることにする。
MMSSTVとは
SSTVの規格
SSTVのトーン周波数
Syncパルス 1200Hz
画像Lowレベル 1500Hz
画像Highレベル 2300Hz
MMSSTVを使うコツ
- 周波数を合わせる場合は、スペクトラム表示またはWaterFallを見ながら、信号のエネルギーが1500Hzマーカーと2300Hzマーカーの範囲内に収まるように調整
- 自動傾き調整 という機能がある。VOIPで使用する場合には必須。
- 受信時にタイミングをロストする場合、RX FIFOの数を増やす。
- クロックは絶対的にあっている必要はなく、送信側と受信側の相対的にあっていれば問題ない。しかし、絶対的にあわせたい場合は、時報標準電波(JJY)を受信し行うことができる。
JJY
短波帯にJJYがあったはず。とおもって探してみたら、なんと『この短波(5,8,10MHz)の標準電波は2001(平成13)年3月31日12:00で廃止されました。』だそうだ。んー知らなかった^^;;
残っているのは長波のJJYだ。
呼出符号 | JJY(標準周波数局) | JJY(標準周波数局) |
送信所 | おおたかどや山標準電波送信所(福島県田村郡都路村) | はがね山標準電波送信所(佐賀県佐賀郡富士町と福岡県前原市との境界にある羽金山山頂付近) |
空中線出力 | 50kW | 50kW |
周波数 | 40KHz | 60KHz |
トーン信号送信実験
WiRES経由前のWavファイルとWiRESを経由後のWavファイルを取得し、以下のようにMSE値により検証する。
実験結果検証方法
2つの音声ファイル間の信号劣化度を測定するには、SoundEngineを使用する。
- SoundEngineのツールメニューから使用することが出来るWaveErrorでは、2つの音声ファイル間の信号劣化度を測定することができます。参考サイトはこちら。
信号劣化度(MSE:二乗誤差平均)値が低いほど原音に近いことを示します
1200Hzトーン信号伝送実験
Syncパルス1200Hz相当の信号をWiRES経由で送ってみた。
- 送信側
信号源はWaveGenで作成し、Sin波1200Hzとした。これをWiRESのMIC入力に入れる。そしてインターネットに出てゆく。
- 受信側
インターネットから受信したデータをWiRESで受け取り音声信号に変換される。その変換された音声をWaveSpectraで受信しスペクトラム評価を行う。
- 期待値
うまく行けば、きれいなSin波が再現されるはずだが、きっとブツ切れのSin波になっているのではないかと予測している。
- 実験結果
- 考察
おっと、案外綺麗だった。周波数がずれているようなこともなければ、ジッタも確認できない。全体的に音量が低めだった程度。この試験では安定して音声データが伝送できている事が確認できた。位相がずれているような箇所も見受けられなかった。
1200,1500,2300Hzトーン信号伝送実験
実際のMMSSTV送出条件を想定し、1200,1500,2300HzのSin波をWiRES経由で送ってみる。
試験方法は1200Hzトーン信号伝送実験時と同じとする。
- 実験結果
- 考察
周波数ずれはないが、ローパスフィルタがかかっているような感じになっている。送信元の1200,1500,2300Hzは同じレベルだったのに、受信側では、高い周波数になるほどレベルが落ち込んでしまっている。且つ2300Hz成分のレベルが安定せず、あがったりさがったりしている。これでは画像が綺麗に送れるはずが無い。
2300Hzトーン信号伝送実験
- 実験結果
- 考察
レベルが安定せず、且つ位相が非連続となっている点も見受けられる。
WiRESの音声サンプリング周波数
どうもマニュアルをみると、8kHzらしい?
できばえ
んー。まだノイズが多い。2300Hzの件をどうにかして改善させたい。
どぞー
- バーテックススタンダードに問い合わせ中。音声サンプリング周波数を上げてみたい。 -- JM7MUU 本田
- 尚、上記の試験内容は無線機を通過させず、WiRESサーバーとMMSSTVを直接接続したものである。 -- JM7MUU 本田
- 忙しいのにありがとうございます。私の所でも本田さんを同じできばえで確認が取れていますが、これ以上は無理でした。 -- JA6DWF 山本
- 以前0903ルームで実験しました、6185無線機へFT-729のマイクでSSTVパソコンからの音(スピーカ)をマイクをちかずけてひらい、5583無線機にIC-T81 SPoutから別のパソコンMIC INに入れておこないました。参考になるかどうか?。 -- JA6DWF 山本
- 山本さんおはようございます。レポートありがとうございます。VSにもこのサイトをご紹介したので、見ていらっしゃるかもしれません。アクションを待ってみます。災害時の事を考えると、どうにか実現出来たらと思っています。 -- JM7MUU 本田
- VSから電話連絡がありました。現時点では無理だが、将来的には前向きに検討しているという回答でした。サンプリング周波数を上げるとデータ数も多くなり云々。敏速なご回答ありがとうございました。最終的にはこういったことが出来るようになると、無線機の販売増進にもつながると思いますので、是非前向きにご検討をおねがいします。>バーテックススタンダード様 -- JM7MUU 本田
- 他に手はないかと模索中^^;;Skype使えない? ん??^^ -- JM7MUU 本田
- 本田さん、ごめんなさいね、お手数をお掛け致します。今日は1日事務所でパソコン留守番でした。 -- JA6DWF 山本
- いえいえ。いろいろと勉強になりました。SSTVの規格では、1200Hz~2300Hzを使っていますが、もっと下の周波数にシフトできたら旨く行くかも。 -- JM7MUU 本田
- そういう機能があるかどうかは? -- JM7MUU 本田
- ソフトをいらって頂くしかないか?、ハード的には?、MMSSTVの送りでの設定で出来ないかなー?。難しいね!! -- JA6DWF 山本
- WiRESとWIRESChatとSkypeとMMSSTVをコラボレーションすればできる?笑 -- JM7MUU 本田
- MMソフトウェア情報交換メーリングリスト に参加して、相談してみましたが、今のところ無反応^^;; ちょっとまずいこと聞いちゃったのかな^^;;; -- JM7MUU 本田
- MixWというプログラムを使って 1)SSTV信号全体を周波数の低いほうへずらす 2)TTTというモードを使う。ようなことを実験されたようです。実際に自分もトライしてみました。若干の改善傾向にはあるような感じがしますが、問題は送受信する場合に今までのスキャンコンバータやMMSSTVがつかえなくなり、必ず、MixWを使わなければならなくなります。 -- JM7MUU 本田
- EchoLinkからの情報を入手しました。やはりWiRESと全く同じ現象のようで、結局の所、うまくいったという実感は無いようです。画質が荒くて使えないという結論のようです。 これこそ、何とかせねば! > バーテックススタンダード社の皆様! -- JM7MUU 本田
- HAMPALとイメージリンカー32とDIGTRXとWINDRMをお薦めしますと書かれているサイトがある。7MHzSSBでSSTVを愛好している方達だ。ちょっとこれは調査が必要かもしれない。 -- JM7MUU 本田
- WinDRM - HF Digital Radio Mondiale -- JM7MUU 本田
- WinDRMの設定等 -- JM7MUU 本田
調査中の情報
5Hzの差が、MSE値として明瞭に解かる!