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PICTNCとKPC9612

概要

PICTNCは復調性能がいまいちという噂がある。でも、他のTNCと同じ性能があるという噂もある。 じゃぁ、本当はどうなのよ? という所を私なりに検証する。

実験その1(強電界)

以下のような無線設備を使用し、強電界(ノイズが非常に少ない状態)下での復調性能を比較した。

  1. 設備A

    TinyTrak3Plus + TM-201 + DummyLoad(ANT)

  2. 設備B

    KPC9612+ALR206(運用実績あり。調整済みセット)+GP(ANT)

    WIDEデジピータとして稼動。

  3. 設備C

    PICTNC+TM-221+DummyLoad(ANT)

    WIDEデジピータとして稼動。

実験手順

  1. 設備Aから発信したAFSK変調波を設備Bと設備Cで受信し、復調結果を確認する。うまく復調されれば、デジピータが稼動しているために、パケットが後続する。

結果

  1. 設備Bは、ほぼ完璧に近い(100%)復調結果が得られ、デジピートされていた。
  2. 設備Cは、設備Aの変調波は、復調率ゼロ。

実験中の音声データ

考察

なぜTinyTrak3PlusAFSK変調PICTNCに受信できないのか?

KPC9612_00.JPG

全く、きれいな波形で申し分ない。

TT3P_00.jpg

まずは時間軸の波形に注目する(画像上部)。中央に引かれている線が0Vを示す。このラインをしっかり横切らなければならないのに、中途半端で次のデータに行っているのが解かる。PICTNCは、ゼロクロス検波という方法を用いて検波しているため、こういった波形ではうまく検波できない事になる。

さらに、周波数軸(画像下部グラフ)に注目する。AFSK変調は、1200Hzと2200Hzの組み合わせにより構成されるが、周波数が高くなるほどレベルが下がっており、右肩下がりの周波数特性となっている。言い換えると、1200Hzの信号よりも2200Hzの信号の方がレベルが落ち込んでいると言える。

カーソルを当ててレベルを測定したところ、約10dBぐらい 2200Hzの方が低くなっている。

これは時間軸データと密接にかかわっており、時間軸波形が頻繁に上下しているのが2200Hz であり、時間軸波形がゆっくり上下しているのが、1200Hz である。 2200Hzのレベルが落ち込んでいるのが原因でゼロクロスを通らない時間軸波形が出来てしまい、結果として復調できないという事につながると考えられる。

ではなぜKPC9612では復調してしまうのか?

  • KPC9612 ではイコライジングという機能が付いている。これは、パケットの最初のスペクトラムを解析し1200Hz成分と2200Hz成分に分け、レベルが大きく違うようであれば、その周波数特性を逆補正し、復調能力を上げるようにしていると推測される。 たとえば、あるパケットの周波数成分を解析したところ、1200Hz が -10dB で 2200Hz が -20dB だったとしよう。このパケットは、以上のような周波数特性があるので、2200Hz成分も -10dB になるように補正をかけた後、復調を行うものである。

    こういったイコライジング機能は、PICTNCには無い。

TinyTrak3PlusAFSK変調は問題ないのか?

  • TinyTrak3PlusのAFOUTを無線機を経由せずにPCに取り込み、上記のようなスペクトラムが傾くような現象が出るのかを実験した。

実験中の音声データ

TT3P_AUDIO_OUT.JPG

  • 考察

    おー。傾きがない。それに、時間軸波形もとってもきれいだった。TinyTrak3Plusは正常だ! ということは、TinyTrak3Plusに接続している無線機が問題!ということが解かった。


TinyTrak3Plusに接続しているTM-201調査



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Last-modified: Tue, 27 Dec 2016 00:33:36 HAST (1080d)